日本の不動産は、戦後一貫して右肩上がりでした。
これはGDPが右肩上がりを示す成熟途上の経済の特徴で、こうした時代の土地価格は昨日より今日、今日より明日のほうが高いのです。 不動産を売買する場合、早く売れば安く、遅く売れば高いという単純な論理しかそこにはありませんでした。
しかし、バブル崩壊後の日本は成熟経済国の仲間入りをしたといわれています。 不動産価格は上がったり、下がったりする相場モノとなりました。
いつ売るかだけが単純に価格を決めるものではなく、いつ、誰に、どのように売るかという、相場をにらみつつの売り方に工夫のあるほうが高く売ることにつながる時代となりました。 今、少々安いと思っても、何カ月先にはもっと安くなってしまうこともあり得ます。
ですから、売主は安くても確実な買主はつなぎとめておかなくてはなりません。 しかし、その後高値の買主が現れても、対応可能なようにしておくことも同時に大切なのです。
結果として、一定期間内に最も高い指値の買主へ売却できれば良い訳です。 売主にとってこんな「うまい方法」が、ここに示した契約方式なのです。
一方、買主は不動産が相場モノとなった時代にも、上手に安く買いたいものです。 さりとて、安い指値では売主の納得を得られず売買はまとまりません。
売主のなかには、いまだにバブル時代の超高値の残像が頭にこびりついていたりします。 今の時代、1番手の買主の指値がたとえ適正市場価格であったとしても、多くの場合、売主は納得しません。

そして一定の時間をかけて、より高い値をつける買主を捜します。 しかし、時代の現実にようやく気づいて、結局は当初の指値程度で売却します。
今の時代、1番手買主はこうして「当て馬」とされてしまうことが多いのです。 といって初めから売主の納得価格では、高過ぎて買えません。
また、自分の指値より高い指値が本当に入るかもしれません。 短期間のうちにも土地相場が上昇することは考えられるからです。
できれば当初の安い指値、それが無理なら新たなる高値買主が本当に現れた時点で、買値の再検討を行い、良ければ買い上がり、悪ければ売買契約をノーペナルテイで流すことができるというこの契約方式は、買主にとっても「うまい方法」であることがお分かりいただけるでしょう。

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